授業科目(大学院)

 必修科目

研究企画ゼミナール I 大学院生各自の研究テーマの背景および周辺領域の研究についてプレゼンテーションと、ディスカッションを通して、情報発信能力や研究討論能力を身につける。また、これらの発表・討論を通して得られた知見を修士論文の作成に生かし、より完成度の高い修士論文を作成することを目指す。
数理科学特別研究 IA 指導教員が数理科学に関する修士論文の作成に向けた研究指導を行う。特に1年次においては、研究の意義や目的、関連分野との位置づけを理解させながら、修士論文の研究課題の設定に向けて研究指導を行う。そのために、数理科学について幅広い専門知識や必要に応じてコンピュータに関する知識を身に付けされるとともに、指導教員の指導の下、数理科学に関する研究力を鍛錬する。また、指導教員や関連する研究課題を持つ学生へのプレゼンテーションとディスカッションを通して、プレゼンテーション能力やディスカッション能力を涵養する。
数理科学特別研究 IB 指導教員が数理科学に関する修士論文の作成に向けた研究指導を行う。特に1年次においては、研究の意義や目的、関連分野との位置づけを理解させながら、修士論文の研究課題の設定に向けて研究指導を行う。「数理科学特別研究IA」に引き続き、数理科学について幅広い専門知識や必要に応じてコンピュータに関する知識を身に付けされるとともに、指導教員の指導の下、数理科学に関する研究力を鍛錬する。また、指導教員や関連する研究課題を持つ学生へのプレゼンテーションとディスカッションを通して、プレゼンテーション能力やディスカッション能力を涵養する。
数理科学特別研究 IIA 数理科学に関する幅広い専門知識を身に付けさせるとともに、指導教員の指導の下、数理科学に関する研究を自立的に進めさせる。特に修士論文の作成に必須の研究論文を読ませ、セミナーを通じて研究指導を行う。また、指導教員や関連する研究課題を持つ学生へのプレゼンテーションとディスカッションを通して、プレゼンテーション能力やディスカッション能力を涵養する。
数理科学特別研究 IIB より完成度の高い修士論文の作成を目指し、研究課題に関係する先行研究や最新の論文を読ませ、数理科学に関する修士論文を作成させる。また、学会での研究発表や修士論文公聴会での発表を念頭に置き、指導教員や関連する研究課題を持つ学生へのプレゼンテーションとディスカッションを通して、プレゼンテーション能力やディスカッション能力を涵養する。

 

選択科目

数理論理学特論 数学記述言語としての1階述語論理を基礎に、20世紀以降に数理論理学がどのように数学とかかわりながら発展し、また、どのように数学に影響を及ぼしたかを講義する。
代数学特論A 大学院で数学を理解するに必要な表現論の基礎知識を教授する。群の線形表現の定義、群の線形表現の例(可換群、対称群、二面体群)、規約性と完全可約性、シューアの補題、指標理論、誘導表現、誘導指標、群多元環などの基本的な概念を理解し活用できることを目標とする。
代数学特論B 大学院で数学を理解するに必要なホモロジー代数の基礎知識を教授する。加群、射空間とテンサー積、複体とホモロジー加群、積空間、射影分解・入射分解、圏と函手、ホモトピー圏、導来圏などの基本的な概念を理解し活用できることを目標とする。
幾何学特論A 大学院で数学を理解するに必要な位相空間の基礎知識を教授する。位相空間、近傍系、位相空間の間の連続写像、積空間、分離公理、(局所)コンパクト性、連結性、写像空間などの基本的な概念を理解し活用できることを目標とする。
幾何学特論B 行列の対角化などの線形代数の基本的な手法や、逆写像定理などの微積分学における基本的な定理が、行列からなる群の幾何学的な性質を調べるのに重要な役割を演じることを理解する。このように一見無関係に思える数学の分野が幾何学に応用される例を学ぶことによって、数学における典型的な方法論を習得し、同時に線形代数学や微積分学について再度理解を深める。
解析学特論A 大学院で数学を理解するに必要な偏微分方程式の基礎知識を教授する。ルベーグ積分の初歩、強収束・弱収束などの基礎的函数解析の知識並びに、函数解析とフーリエ変換を活用して線形偏微分方程式の解法を系統的に理解し、さらにその方法を非線形偏微分方程式に活用できることを目標とする。
解析学特論B 複素関数をリーマン球面において観察し、特に、リーマン球面の自己同型であるメビウス変換を通して、複素関数の群論的・代数的性質を見直し、その過程において群論をはじめとした代数的素養を深めることを目標とする。
確率過程特論 ブラウン運動とよばれる確率解析において基本となる連続確率過程、および伊藤の公式とその応用についての基礎知識を教授する。確率空間、ブラウン運動、確率積分、伊藤の公式、確率微分方程式などの基本的な概念を理解し活用できることを目標とする。
情報理論特論 情報理論の2つの主要な応用分野である符号理論と暗号理論に関する基礎知識を教授する。符号理論では、非線形符号も含めた一般的な代数的符号理論の基礎概念を理解し、代数的符号理論を研究するために必要な基礎知識を身につけることを、暗号理論では、現代暗号の考え方と安全性についての基礎概念や現代暗号研究を概観できる幅広い知識を身につけることを目標とする。
統計解析特論A 大学院で統計学を利用するに必要な統計的推測理論、特にデータ解析のための手法を中心に教授する。分散分析、回帰と距離、ノンパラメトリック法について、基本的な概念を理解し実際のデータに適用できることを目標とする。
統計解析特論B 大学院で統計学を理解するに必要な統計的推測の基礎知識を教授する。統計的モデル、十分性、完備性、指数型分布族、Rao-Blackwell の定理、Lehmann-Scheffe の定理などの基本的な概念を理解し活用できることを目標とする。また、具体的な応用例をとりあげ、統計的手法を利用できるようになることを目指す。
多変量解析特論 大学院でデータ解析を行う際に必要となる基本的な多変量分布に関する知識と基本的な統計モデルを教授する。代表的な多変量分布の基本的な性質を理解することを目的とする。また、重回帰分析、主成分分析、判別分析、多重比較などの基礎を理解し、解析目的に応じた適切な使い分けが行えるようになることを目標とする。
非線形解析特論 非線形現象を記述する際に現れる非線形偏微分方程式、特に非線形拡散方程式の基礎的事項を理解することを目標とする。非線形現象の多くは偏微分方程式、特に反応拡散方程式に代表される放物型方程式により記述される。本講義では放物型方程式の背景に触れながら、フーリエ級数やフーリエ変換、また解析的半群を用いた可解性や正則性などの基礎的事項の理解を深める。
常微分方程式特論 常微分方程式の定性的理論における基礎知識を教授する。常微分方程式の解の存在性、一意性、延長可能性、初期値に関する連続性、周期性、安定性、有界性、振動性などにおける定理や手法を理解させ、それらを用いて、非線形常微分方程式の解を大域的に解析できる能力を養うことを目標とする。
差分方程式特論 大学院で数理科学を理解するのに必要な行列理論とその線形差分方程式への応用に関する基礎知識を教授する。行列の対角化、線形空間の直和分解、行列のスペクトル分解、射影行列の表現公式などの基本的な概念を理解し活用できることを目標とする。
応用数理特論 大学院で数理科学を理解するに必要な応用関数解析学の基礎知識を教授する。不動点定理、線形・非線型作用素の評価、関数空間における収束などの基本的な関数解析の概念を、数理疫学モデル、数理統計学、数理経済モデルに応用できることを目標とする。
数理科学特別講義A、B、C、D これらの科目は、外部の専門家による集中講義形式で行われる講義科目である。本学の教員が必ずしも専門としない数理科学のトピックスについて他大学の専門家が講義する。講義で扱うトピックスは、毎年度変わる。